珍しい夜

 

 日が暮れて冷えきったオフィスでひとり事務作業をしていたとき、何の前触れもなく突然無音の携帯電話が揺れた。「来ませんか?」というおよそ3年ぶりのお誘いに嬉しくも、パソコンと睨めっこしていた私は一瞬ためらったが、内側のもう一人の私が「行ける」と囁いた。

 今回初参加とはいえ、現在の私の仕事にも関係があり、大変お世話になっている目上の方々である。それぞれが航空会社や旅行会社、帰国子女、銀行、レコード会社でキャリアを築いてこられて、今はひとつの仕事に携わっているという多様で個性的なメンバーによる極めて珍しいチームだ。

 その中に、ボブ・マーリーの来日公演(1979年)を目撃された方もいて、話を伺っているうちに思わず気持ちが高ぶってしまった。この日は一冊の本を読み終えたような充実感のある、貴重で珍しい夜だった。

※写真はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのラストコンサート(1980年9月23日/ピッツバーグ)を収録した、ライヴ盤(限定)「WAILING FOR THE LAST TIME(1992年/12曲収録)」です。

※ボブ・マーリーの名言の中で好きな言葉がふたつあって、そのひとつが1975年のあるインタビューで語った「”文章が得意な人は物書きになれ。歌が得意な人は歌手になれ”と学校の先生が言っていたから、俺は歌手になった」です。